2008年に制作しお納めしている作品に亀裂が入っていました。
通常油絵具は酸化によって乾燥していくので半乾き層の上に十分な乾燥を待たずに塗り重ね
ると、亀裂が入ります。通常2週間の乾燥が必要と言われています。描き進めていくうちに
わからなくなってしまうんですよね。自身の未熟さを露呈することになりますが記録にとど
めます。今回の修復は
1.画面洗浄 テレピン油で軽く汚れを落とします。
2.リタッチ 亀裂の溝が深いところは増量剤で平らにしてリタッチ(リタッチには油絵具は使いません。)
3.保護ワニス塗布(タブロー) テレピン油で20%ほど希釈して塗布 という工程になります。
亀裂の溝が深いところは増量剤で溝を埋めていきます
溝を埋めてリタッチをしたところ
同じくリタッチ。こちらは溝が深くないのでそのままリタッチ
保護ワニスを塗布して修復完了。経過観察。
もう一枚も同じ工程での作業。こちらはアクリル板が画面にあたって絵の具がはげたようです。こちらは2006年にお納めした作品。
リタッチ、保護ワニス塗布
どちらの作品も保護ワニス無しでお納めしていたので今回のニス掛けで
艶が統一されて鑑賞しやすくなりました。
注意:今回の修復作業は自分の作品を自己責任で行っております。同じ作業を行って不具合が発生しても責任は負いかねます。







